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福井県坂井市にある“glass atelier えむに”にお邪魔しました。 | 清雅堂 クラフト & ライフスタイルショップ

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2017.02.23 Thu

福井県坂井市にある“glass atelier えむに”にお邪魔しました。

福井県坂井市にある“glass atelier えむに”にお邪魔しました。

今回は福井県坂井市春江町にある“glass atelier えむに”にお邪魔しました。
こちらの工房では、ガラス作家の水上竜太さんマエダミユキさんご夫婦が、それぞれの持ち味を生かした作品を作っていらっしゃいます。

福井県坂井市春江町にある“glass atelier えむに”にお邪魔しました。

水上さんは、管状のガラスをバーナーの火で溶かして息を吹き込む技法を用い、茶器やキャンドルスタンド、アクセサリー等を手がけておられます。また、花器や器類の平たいものは吹きガラスでつくります。月や小動物のユニークなモチーフが印象的です。

マエダさんの作品の特徴はその緻密な絵付け。まず塗料でガラス表面を塗りつぶし、描画部分を竹串で削り取っていくという手法で、独特な世界を展開します。リズミカルな花模様、自由な線、どこか異国の街にも似た建物たち。いずれもどこかノスタルジックでドリーミーな心地よさを醸し出しています。

ガラスアトリエえむに

お二人のこれまでについて伺ってみました。

水上さんは埼玉のご出身。
ガラス工芸とは何の関係もない、都内の理系の4年制大学に通っておられた頃のことでした。

「たまたま(東急)ハンズに行ったら、たまたま色ガラス棒があって、こういうのってガスバーナーで溶けるのかな、って。で、やってみたら溶けて。」

理系の好奇心、恐るべし、ですね。そこからぐんぐんガラスの世界に引き込まれ、大学卒業後、改めて川崎のガラス工芸の専門学校にご入学されます。

「まあ趣味が高じてって感じですね」

と、さらっとおっしゃいますが、そこには一度決めたら突き進む、芯の強さが伺えます。

一方のマエダさんは、工房の所在地と同じ、福井生まれの福井育ち。地元の高校にご在学中から既にガラスに憧れていらっしゃったとのこと。

「職人さんの世界に憧れがあったんです。陶芸とか染色とか興味あるものはいろいろありましたけど、やっぱり吹きガラス、溶けたガラスを扱うっていうのにすごく憧れていて。それでもう単純に、学校を調べて探して入学した、っていうのが最初ですね。」

思い立ったら即行動、この一途さはご主人の水上さんと似ていらっしゃるのかもしれません。

そして、マエダさんも水上さんと同じ、当時川崎にあったガラス工芸の専門学校に学年違いでご在籍されることになります。

その後1998年、マエダさんのご出身地である福井県の「金津創作の森」にガラス工房ができ、お二人の専門学校の先生が赴任することに。
このとき、水上さん、マエダさんお二人もこのガラス工房EZRA GLASS STUDIOにスタッフとして勤めることとなったのです。

「私はもともと福井で、家から通える距離でしたし」とマエダさん。

そして5年間EZRA GLASS STUDIOでガラスにまつわる様々な仕事に携わったあと、お二人は独立を決意。
2003年、現あわら市に一軒家を借りて工房を構えます。(現在は坂井市に移転)

えむに、という工房名も、その時の一軒家の雰囲気に照らして考えたそうです。

マエダさん
「前田と水上のMが二つで。それだけです(笑)。
いろいろ考えたんですけど、おしゃれなのとか、横文字は、自分たちに似合う感じがしなかったし。山ん中のほんと古い一軒家で。なんかちょっと和な感じというか。」

水上さん
「ひらがながお似合いの場所。」

マエダさん
「そう!それで“M2”をひらがなで“えむに”って書いたらかわいかったので。あ、“えむに”っていいんじゃない?って。」

何ともほのぼのとした工房名誕生秘話です。
マエダさんはその頃を振り返って言います。

「その時は将来自分たちが『えむにさん』って呼ばれることになるとは全く思ってなくって。ただ工房名をつけといたほうがいかな、って。個人個人の活動だけど、まあ住所にナントカ工房ってつけたほうがいいかな、って、考えたんですね。それがいつの間にかどこに行っても『えむにさん』『えむにさん』って呼ばれることになって(笑)」

ガラスアトリエえむに

現在はお隣に構えた住居と工房を行き来しながら、制作とご家庭を両立なさっているお二人。
自営業ゆえに、どこまでものめり込んでしまいそうですが、実際どんなペースでお仕事なさっているのでしょうか。

まず、吹きガラス用の溶解炉に火を入れている時期かそうでないかによってパターンが変わってくるそう。“えむに”では炉に火を入れるのは通年ではなく、1か月など、決めた期間のみ。とは言え、いったん火を入れると昼夜問わず24時間運転。燃料費もかかります。
そのため、効率よく作業ができるように、何をどれくらい作るかあらかじめ決めておくそうです。そしてひとたび炉に点火すると、販売用の定番品や、展覧会に出品するものなどを次々に作りためていきます。

水上さん
「計画的にやりますね。(火を)つけているときはもうみっちり。」

さらに、決まったものを作るだけでなく、新しいものの試作も手がけます。

マエダさん
「例えばコップ30個を今日の決まってる仕事として作ったとして。それとは別に、そのあと1~2時間、新しいもの、試してみたいものを作ります。花瓶作ってみよう、とか、お皿のレパートリー増やしてみよう、とか。アイデアを形にしていく。
で、翌日窯から出てきたものを見て、これもっと作ろうか、とか、ここを変えてみようか、とか。」

新しいものに挑戦すると言っても、ガラスの特性上、作りながら足したり引いたりすることはできません。日ごろからアイデアを書き溜め、サイズを決め、ラインのスケッチをしておく、といった入念な計画が必要です。

マエダさん
「今は(炉の)火が消えてる期間ですけど、私は絵付けの作業をしています。主人はバーナーで耐熱のガラスのものを作ってますね。」

ガラスアトリエえむに

炉に火が入っていない期間も、様々な手法で精力的に制作を続けるお二人。

水上さん
「僕は仕事する時間決めてますね。8時半から5時半か6時くらいまででしょうか。休みは仕事にもよりますけど大体週1、日曜日ですね。土曜日は何だかんだ言ってちょっと仕事してしまう感じ。」

マエダさん
「私は家のこともしてるので、朝は片づけ終わってから出てくるとか、あと来客の応対とか、もうちょっとフレキシブルですね。
で、子どもが帰ってくると、いったん家に戻って。落ち着いて宿題でも始めるとまたちょっとこっち来て、でも呼ばれたらまた行く(笑)。もう、夕方はほんとバタバタしてますね。どうしても今日この荷物だけは出さないと、っていう時は(お子さんに)待ってて、って言うけど。
あとは子どもが寝てから、夜すこし作業したりしますね。」

伺っているだけで、大変そうな光景が目に浮かびます!
お子さんを育てながらの制作活動に頭が下がる思いです。

ところで、新作のアイデアはどこからやってくるのでしょうか?
実際の生活の中のふとした瞬間に生まれる場合が多い、とマエダさんは言います。

ガラスアトリエ えむに

マエダさん
「自分が今まで作ってきたお皿にお菓子を載せて写真撮ってる時に『これ、もうちょっとサイズがこうだといいよね』とか。あるいは『ウチ、いま黒いお皿ないよね。これ、黒だったらきれいかも』とかね。そういうことが積み重なって、自分たちが使ってみたいものを作る。あるいは作ってきたものに何か新しい表情をプラスする。って感じが多いかな。
それから、お客さんから頼まれたり聞かれたりしたもの。うちは今そういうのないんですけど、それだったらできるかもしれないから今度やってみます、とか。」

水上さん
「やっぱり自分たちが使いたいものを作るっていうのが一番多いですね。自分たちの作ったものでテーブルをコーディーネートしたいんですよ。同じ雰囲気のだけではちょっとつまらないじゃないですか。そうすると、この中にじゃあこういうのも入れてみようじゃないか、と。いろんな表情、アイテムが増えていきます。
それでやっぱり、自然といろんなレパートリーが増えていきますね。」

非日常の芸術品ではなく、あくまで毎日の暮らしで「使う」もの。自分たちが実際に使いたいもの。“えむに”らしさをまとったもの。

マエダさん
「シンプルなものも作ってますけど、ちょっとどこか楽しい要素は入れたいなと思っています。色使いだったり、形だったり。」

そんな“えむに”のガラスに共感するお客さんが増えてきています。

マエダさん
「同世代のお客さんが結構多いですね。私たちが自分が好きなものを作ってるからでしょうか。さらに、二世代でお母さんと娘さんで『かわいいよね』って言ってくださったり。あと20代の若いお客さんが、どうしても欲しい、って買ってくださったり。嬉しいですね」

お客様の要望で新しい世界も開けたと言います。

マエダさん
「ここ数年お茶の道具を作ることが増えて。今はお客さんが写真を(インターネットに)あげてくださったりするので、実際に使ってる様子が見えるんです。自分たちでは使わない形の急須や、台湾茶のお茶会の風景まで見せてもらえるので、そういうのが楽しくて嬉しくて。ほんとに今の世の中はありがたいなと思いますよね。自分たちが使いきれない分までも、知ることができて。」

二人で工房を立ち上げ、順調にファンも増えてきた“えむに”。
今後の展望を聞いてみました。

マエダさん
「最初は続けていけるのかどうかもわからなくて、とりあえず作ることで食べていけたらいいなって思っていました。それが今は、続けていけるな、って思えるようになりました。ちょっとずつ積み上げていけば、このままのペースで二人で頑張っていければ、自分たちがやりたい年まではやっていけるのかな、って。仕事があるのかっていう不安は、やっと今、なくなってきました。」

けれど、事業を拡大するつもりは?と訊かれるとマエダさんは静かにこう語ります。

「二人で手いっぱいになったときに、例えば手伝いに来てもらって、もうちょっと生産性上げるっていうのはやり方の一つではあると思うんですけど、多分しないんじゃないかな、と思ってます。繁忙期に臨時でちょっと、っていうことはあっても、ちゃんとスタッフを入れて、規模を大きくしていくっていうのは自分たちのやりかたに合うとはあまり思ってなくて。自分たちでできる範囲でやっていきたいなと思ってて。

ギャラリー建てたいな、っていうのはありますけどね。そこの(敷地の)一番端っこのところに、ね、景色いいところで。(ここより)もっときれいに並べて。
まあでもそれに向かって頑張ろうね、ってわけではなくて、ゆくゆくそんなのも楽しめたらいいね、って感じですね。

とりあえず健康に、ケガしないで、続けていきたいです。」

ガラスアトリエ えむに

と、あくまでも自分たちの個性、ペースを大切に、歩みを続けるグラススタジオ“えむに”。福井のどこが好きですか?の問いに「空がひろいところ」と答えてくれたマエダさんですが、まさしく大きな空のような、ゆったりした空気感をまとったガラス作品たちが、今日も生まれています。

glass atelier えむにの商品一覧はこちら
http://enne-japan.jp/?mode=grp&gid=1496482

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