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Gaku Shakunaga – 釋永 岳 | 清雅堂 クラフト & ライフスタイルショップ

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2017.02.14 Tue

Gaku Shakunaga – 釋永 岳

Gaku Shakunaga – 釋永 岳

富山県岩瀬市で独特な凛とした陶器を作り続けておられる釋永岳さん。今回、その来歴や作風についてお話を伺いました。

お邪魔した工房は、趣ある古い町並みのなかにありました。この岩瀬地区は江戸から明治にかけて日本海の物流を担った北前船(きたまえぶね)の港町として栄えたところです。

「築160年です。北前船の船蔵だったんですよ」
と釋永さんは慣れた手つきで作業をしながら話して下さいました。

築160年 北前船の船蔵

釋永さんのご実家は越中瀬戸焼の窯元。その影響もあってか、立体造形に魅力を感じるようになったといいます。東京藝術大学に進み彫刻を学ぶ中、陶芸の豊かな世界に惹かれ、土を素材とした創作活動を決意。東京藝術大学をご卒業後、さらに京都府立陶工専門校成形科で腕を磨きます。

「有名な窯元の息子・娘たちが全国から集まってくるような、すごくレベルの高い学校でした。もう完全にろくろしかやらないんですよ。成形術。面白い学校で、先生に“よし”と言ってもらえた人から次にステップアップしていくんです。」

つまり、“よし”をいただけないといつまでも先に進めない厳しい環境の中で、来る日も来る日もろくろと向き合い、みっちり成形の技術を追求した釋永さん。ダントツの成績でご卒業されます。

けれど、肌に合わない部分もあったそう。

「カリキュラムは素晴らしいし、技術力もすごいんですけど、合わない部分もあって。
土を捨てちゃうんです。それ再生して使わないんですか?っていうの、捨てちゃうんです。
この削りかすってありますよね(作業場の成形後の削りかすを指して)。僕はこういうものを、もう一度土に再生して使いたいんですね。すごく手間もかかるし時間もかかるし腰も痛くなるけどね。正直言って買ったほうが安いです。
けど、僕、土で生活してる人間が土捨ててどうすんだ、って、思っちゃうんですよね。」

効率やコスト重視の昨今、より合理的な方法がとられるのは当然と言えば当然のことかもしれません。けれど、どうしてもそれが腑に落ちない釋永さんの言葉からは、陶芸家としての自負と、素材である土への強い愛情が感じられます。

その後、釋永さんはご実家の窯元で修行を重ねます。

Gaku Shakunaga - 釋永 岳

Gaku Shakunaga - 釋永 岳

「もうほんと、一日中、土つくったり、薪割ったり。陶芸に必要なことを。まさしく焼き物屋の修行僧ですね。」

けれど毎日、作業に明け暮れる中、徐々に違和感をおぼえるようになったといいます。越中瀬戸焼の伝統的な陶器を脈々と守り続けてきたご実家の窯元を認めつつも、ご自身が求めるものはこれではない、という思いに次第に駆られるようになっていきました。

「まあ変な言い方ですけど、こういうものがいいもので、こういうものを練習しろ、みたいなのが苦痛でしょうがなくて(笑)」

そんな折、思いを巡らす釋永さんのもとに、独立の話が舞い込みます。
岩瀬町の老舗、桝田酒造店の社長が協力者となり、釋永さんは同じ岩瀬のまちに工房を構えることになります。

ご実家を継ぐことを放棄したわけですから、半ば勘当状態、背水の陣での出発だったと釋永さんは振り返ります。

「独立はしたものの、まだその時って窯も焚いたことないわけですよ。薪割ってただけなんで、何もできないんですよ(笑)。不安でしたね。
やってもやってもろくなもんが作れないんで、もう毎回全部捨ててました。」

その焦りを見透かしたかのように、協力者の桝田さんから厳しい言葉がかけられたこともあったといいます。

「“そんなものを売ったら、君の名前に傷がつく。”とか“その程度のものを売るな。”とかね。ほんとにいろんなことを教えていただきました。」

そうして試行錯誤を繰り返す中、徐々に“釋永さんらしさ”が光る作品が生まれ始めます。

豊かな大地の色をたたえた皿。極限まで薄く仕上げた軽やかな鉢や杯。リズミカルな凹凸を施した皿。そして、凛とした静けさをまとった黒い器たち。
これらの作品は目の肥えた鑑賞者や、最高の器を求める料理人たちの目に留まり、今では知る人ぞ知る名品としてあちこちで愛されています。

Gaku Shakunaga - 釋永 岳

特徴的な黒の器について釋永さんは語ります。

「釉薬は僕、完全に本読んで独学したんです。化学ですよね。こういう鉱物は、こういう作用がある、とか。そういうことをひとつひとつ覚えていきました。僕の黒い釉薬がありますけど、あれは独立する前にもうできてたんですよ。で、実家で修行してる間にいろいろ研究したり、強度を上げたり。」

けれど、製品化にこぎつけるには、何年もかかったと言います。

「文献に、レシピみたいなものが載っていても、それがいつも正しいわけじゃないんです。材料にしても、たとえ名前が同じでも、採れた場所が違うだけで成分が違ってくるんですね。だから、本の通りにやったから本の通りにできあがるかというと、まあ、たいていならないです。だから何かを変えていくわけです。焼き物ってレシピだけじゃなくて窯の焚きかたでも全然違いますしね。いろんなことを片っ端からやってみましたね。それは今もそうです。片っ端からやります。」

思い描く仕上がりに到達し、それをコンスタントに再現するにはどうすればいいか、執念とも言える手間をかけて追求していく釋永さんの姿勢には、畏敬の念さえ覚えます。

今ではいくつものレストランで使われている釋永さんのうつわ。富山の繊細な海の幸・山の幸をこの上なく美しく演出する、なくてはならないうつわです。

Gaku Shakunaga - 釋永 岳

また、今後は純粋な芸術品としてのオブジェも積極的に手掛けていきたい、と語ってくださいました。今、頭にずっとあるテーマは「光」だそうです。

「(器とはまた)違うことやってないとだめなんです。それは売れなくてもいいんです。やってないと生きていけないんです。」

器で「用の美」を極めた釋永さんの新たな挑戦にもますます期待がふくらみます。器・オブジェ双方から今後も目が離せません。

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